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知命社中での非日常的な問いかけ
小野薬品工業株式会社 取締役 常務執行役員
滝野 十一 様
修了生

私が知命社中への参加機会を頂いたのは、20年余り過ごしてきた旧部署から研究部門へと異動となって1年ほど経った頃でした。
まさに製薬業の本丸である創薬研究の競争力を如何に高めていくべきか、成果に結びつく確率が極めて低く長期に及ぶ創薬活動で士気を高めていくには何が必要なのか、悩み続けている時でした。また同時に、自分自身の考えや行動が前面に出過ぎてしまう従来からの自分のリーダーシップ・スタイルを変えてみようと模索し、迷い続けている時でした。

日々の仕事に追われ、日常に埋没してしまう、そして本当にやらねばならない仕事に向き合い切れず、徒に時間が過ぎていく。常日頃、そんなことではいけないと会社では仲間に言いながら、自分自身がそんな風に日常に埋没しそうになる。知命社中での非日常的な時間は、自分を見つめるとても大切な機会となりました。

毎回毎回「自分は何者か」という究極の問いに向き合い続ける。そもそも自分は何を原体験に形作られ、何を大切にし、何を為したいのか。答え無きが如き問いを繰り返すことで、また、社中の仲間と互いに土足で踏みにじり合いながらノーガードで議論することで、見えてくるものがある。最後は心、信念、自分では意識しなかった自分、そして等身大の自分。

吉野の研修で学んだ「気枯れ」ない心。里行での穢れを山行で洗い流す。
リーダーはエネルギーを分け与えていくのが仕事なのに、リーダー自身に元気がなければ組織の活性化など覚束ない、つまり、気枯れている場合ではないのである。しかし、山行で洗い流すだけでは駄目で、山の行より里の行。そして「教行信証」、先ずは信じて実行する。「Done is better than Perfect」、その一歩の大切さ、沢山の学び、沢山の刺激、沢山のインスピレーションを頂いた。

時折、モレスキンのメモを見返し、社中の仲間や非日常的な問いを思い出す。

※役職はご参加時のものです
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