知命社中に参加していた時期は、たまたま実際に会社のビジョンを検討・策定するタイミングと重なっていました。そのため、他流試合での刺激や学びを、実際の業務(リアル・ビジネス)にリンクさせながら考え続ける半年となりました。ビジョンを構想する際にも自分の思考が何かの制約やしがらみに囚われていないか、自分自身の軸に照らして本当に思っていることか、表現する一つ一つの言葉は言いたいことを適切に表現できているか、聴き手に届くか、など相当考え抜きました。まさに「突き詰めて考える」という感覚が常にあったと思います。
知命社中では、自身に正直に向き合って軸や価値観を深く堀りさげてきましたが、それと同時に会社のビジョンを考え続けていたので、自分の中では自身と自社が一体化する感覚が生まれてきました。「社員の提言やチャレンジを受け止め、時に失敗も許容しつつ個々を正当に評価する」そんな自社を誇る想いは以前から持っていましたが、今回生まれた「一体化した感覚」は、会社のビジョンと自身の軸をリンクさせたいという意識を一層高めたと思います。結果として、考え抜いて出した自身の軸を会社のビジョンに落とし込むことが出来たことは、私にとって知命社中の最大の成果と言えます。今回描いたビジョンは、環境変化に合わせて見直すこともあると思いますが、その度に、今大事にすべきことを考え抜き、自分の軸を継続的に磨き続けたいと思います。
参加者との対話の中で、それぞれが会社の壁を打ち破るため逃げずにアクションしている事実に触れ、自分自身があらゆる面において全く足りていない、という強い焦りを感じました。このことに気づいて以降、まず「自分の中の壁」を打ち破るために意識的に自身をプッシュするようにしました。多くの研修は、「1時間の講話に対して15分程度の質疑」でひとつのテーマが終了するのが一般的ですが、知命社中の場合は、講話の後の対話にかなりの重心を置いています。講師や参加者同士の対話を通じてテーマを掘り下げる時間には大きな価値を感じました。ここで自分が感じていることを率直に発信するようにしました。他者の反応を含め発信するからこその気づきも大きかったです。参加者は、上場企業・オーナー系・ベンチャーなど業種業態、バックグランドは本当に様々でしたし、パーソナルな面でも互いに尊敬できる方ばかりで、自分にとって深い気づきを与えてくれる存在でした。
もう一つは、自ら問いを立てて考え抜くことです。毎回、異なるテーマの講話内容を題材に、あえて問いを立て、一つの言葉に対してどう捉えるか徹底的に議論することで、言葉の意味を深めていきました。「本当にそうか」と考え抜くことで、自身の考えに厚みを持たせることが出来ました。研修中だけでなく、インターバルでも課題に対して継続的に向き合うことで、こうしたスタイルが自分の思考習慣となっていきました。