正直なところ、参加当初の意識は部長の延長であったかも知れません。つまり、まだ自分の中には自身のキャリアなどを優先する打算的な部分があったのではないかということです。ただ、知命社中で講師や仲間と対話を深める中で、より大きな視点で会社や経営を捉えるようになりました。日本社会が抱える課題などの議論を深める中でも、日本の危機感を自社に置き換えて考えるようになっていました。これまでもこうした視点がゼロだった訳ではありませんが、大きな変化は、トップの視点からリアリティを伴った思考という点が圧倒的に高まったのです。社長であればどう考えるのか?何万人の社員の生活を背負っている責任、といったことに対する意識が一段深まったと思います。トップであればどう考えるか?という立場から事業を形にしていく、それがリーダーとしての仕事だと感じています。
これまで受けた多くの研修は、終了して会場を出ればそれでおしまい、というのがほとんどでした。でも知命社中は違いました。7つのモジュールの間隔は、各1カ月のインターバルが設けられていましたが、その期間中も折に触れてテーマを思い起こしたり、思考を深め続けるプログラムでした。また研修中、リーダーをテーマとしたエッセーを何度もリライトし言語化することを繰り返しましたが、これは意外と今まで経験してこなかったことです。知識を持ち考えるだけでなく、自分の言葉に落とすから血肉になる訳です。こうした環境は、少なからず学びに対する意識に影響したと思います。
より大きかったのが、講師陣の何か伝えたいとする熱意と真剣さです。これは、自分の学びに対して大きなインパクトでした。仲間の皆さんも博学な方が多く、これも刺激的でした。こうした環境の中に身をおくことで自然と「エグゼクティブとして、もっと学ばなければいけない」と感じましたね。場にふさわしく、どのような話題でもついていける幅広い知識、そのことに対する自分なりの見識を語れる、ということの重要性を強く感じました。