知命社中は、所謂、経営知識やスキルを学ぶところというより、歴史・文化に触れ、道を究めた経営リーダーや専門家と交わり、また、読書、メンバー同士の切磋琢磨、日常的な思考の習慣といったことを通じて、自己を認識し、主観・軸を磨き、経営観を高める場です。
世の中は非合理に満ち溢れています。多様な価値観”や“正義の反対は別の正義”の中、実際に起きていることは、理論で片付かないものがあまりに多い。企業や組織もそう、機械ではなく生き物。感情があり、自分が思い描いた通りには動いてくれません。ましてや変化の時代、経営リーダーは極めて難しい舵取りを迫られます。答えのない問いに対し、先を見通し、決断し、導いていかなければなりません。
その時に、私達リーダーに必要となるものは、一般論ではなく、自分の軸であり、主観であり、自分の経営観です。ただ、これを自分一人で掘り下げ、磨いていくことは容易くなく、私にとって、この、知命社中との出会い、同士(参加者)との出会いが、その大きな1歩となりました。
先人の智に触れることから、筋の通ったより確かな軸へ
とりわけ、Module6の水戸「弘道館、偕楽園」での非日常空間の体験は、これまでの“倒幕・尊王攘夷”という表層的なイメージから大きく変わり、水戸学の中にある経営観や軸を身体全体で感じ、同時に、Module1~5で自己肯定と否定を繰り返し奥深く自分と向き合ってきたところから、自分の中に筋が通り、統合化されてゆく感覚が持てた、忘れられないModuleとなりました。
知命社中の修了は、自分の描いた10年経営構想の始まりでもあります。恐らく、描いた通りにはいかないでしょう。その時にこそ、自分の軸・経営観に立ち返る、また、知命社中で築いた関係性の中からも新しい刺激を受け、自分の思考・行動に繋げていきたいと思います。