私にとって知命社中は、物事をとらえる視点を高く押し上げてくれた場でした。
「知命社中に参加してみないか?」と声をかけられたとき、ちょうど中期計画の最終年度で達成に向け日々追われていた状態でしたので、送付いただいた課題書籍の数々を見て「本当に出来るのか?」と感じたのが正直なところです。
ただ実際に参加してみると、テーマが「自分の使命は何か?その使命を達成するために10年かけて何をするのか?」と言った大きな問いで、目先の収益達成で頭が一杯だった私にとっては、頭から冷たい水をかけられたような気分。使命って?儲けることに決まっているだろ!と言うと、講師や他業界から集まっている社中の同志(参加者)から「儲けさえすればいいのか?」と違和感を感じる言葉をどんどん浴びせられ、その違和感から思考がその奥へつながるものへとどんどん引き込まれていったことを記憶しています。
自分の過去の経験で強く心に残った出来事を振り返ることや、同志間でのギフトメッセージのやり取りで新しい気付きを得て、自分が譲れない価値観や、自身を突き動かすエンジン、業界をリードするリーダーになるには何が欠けているかなど、10年かけて取り組む上で必要な目標設定、ブレない軸を探る大きなヒントを与えてくれる良い機会でした。
また講師陣も一流で、先端の経営戦略から、変わることなく愛され続けている芸術、宗教のシャワーを浴びせかけてくれて、人間の幅、思考の幅を深められたと思います。特にデジタルトランスポーテーションやデジタル経営など、我々を取り巻く環境がどのように変わりつつあるのか、時代認識をしっかり洞察する上で大変貴重な経験でした。
この4月から当社ブラジル拠点の社長として赴任していますが、赴任前にこのような機会に接することができたことに感謝しています。知命社中での学びを振り返りながら、自らの軸に基づいてどうリーダーを演じるか、10年を見据え今、すべきことを高い視点でとらえ取り組んでいきたいと思います。